はじめに:屋根の寿命、まだ大丈夫?それともそろそろ限界?
屋根は時間とともに劣化し、適切なメンテナンスが必要になります。
いざ屋根のメンテナンスを考えたとき、「屋根塗装で見た目をきれいにすればいいのかな?」「いや、もっと根本的にカバー工法で直した方がいいのかな?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、「屋根塗装」と「カバー工法」に焦点を当て、それぞれの費用、メリット、デメリットを徹底比較します。あなたの家の屋根の状態に最適な選択を見つけるためのヒントにしてください。
1. 「屋根塗装」とは?:劣化が軽度で費用を抑えたい場合に最適
屋根塗装は、既存の屋根材の上から塗料を塗り直すメンテナンス方法です。
屋根材そのものの機能はまだ保たれている、比較的軽度な劣化の場合に選ばれます。
メリット
・費用が比較的安い
カバー工法に比べて、初期費用を大幅に抑えられます。
・工期が短い
既存の屋根材を撤去する手間がないため、工事期間が短く済みます。
・美観の回復
塗料の色や種類を変えることで、家の外観イメージをガラッと変えられます。
・機能性の付与
遮熱塗料や防カビ・防藻塗料を選ぶことで、室温上昇の抑制や汚れの付着防止といった付加価値を与えられます。
デメリット
・耐久性に限界がある
塗装はあくまで屋根材の表面を保護するもので、屋根材自体の寿命を延ばすものではありません。
塗料の耐用年数(一般的に10年~15年程度)が来れば、再度塗装が必要になります。
・屋根材の損傷は直せない
ひび割れや反り、欠けなど、屋根材そのものが大きく損傷している場合は、塗装だけでは解決できません。
・根本的な解決にはならないことも
屋根材の下地に深刻な問題がある場合や雨漏りの原因が屋根材の内部にある場合は、塗装だけでは解決しないことがあります 。
こんなケースにおすすめ
・屋根材の色あせやコケ・藻の発生が主な劣化症状の場合。
・築10年~15年程度で、屋根材自体の損傷が少ない家。
・費用を抑えつつ、美観と機能性を回復したいと考えている場合。
2. 「カバー工法」とは?:屋根材の寿命や深刻な劣化の場合に最適
カバー工法は、既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねて設置する方法です。屋根材の寿命が来ている、またはひび割れや反りなど深刻な劣化が見られる場合に選ばれることが多く、費用対効果に優れた工法として注目されています。
メリット
・高い耐久性
新しい屋根材を設置するため、一般的に20年〜30年と塗装よりもはるかに長い耐久性を持ちます。
一度施工すれば、長期間メンテナンスの心配が減ります。
・防水性の強化
新しい屋根材で覆うことで、既存の屋根材からの雨水の浸入を防ぎ、防水性能を大幅に向上させます。
・劣化の進行した屋根にも対応可能
既存の屋根材にひび割れやサビ・変形などが広範囲に及んでいる場合でも、新しい屋根材で覆ってしまうため屋根の機能性を回復させることができます。
ただし、下地材(野地板など)まで腐食が進んでいる場合は、カバー工法では対応できず、葺き替えが必要になります。
デメリット
・初期費用が高い
屋根塗装に比べると、新しい屋根材の費用や施工費用がかかるため、高額になります。
・屋根が重くなる
既存の屋根材の上に重ねるため、屋根全体の重量が増加します。建物の構造によっては、耐震性への影響がないか確認が必要です。
・下地の劣化には対応できない
既存の屋根材の上から覆い隠すため下地材(野地板や垂木など)が腐食している場合や、構造的な問題がある場合には対応できません。
もし下地が傷んでいる状態でカバー工法を行うと、内部で劣化が進行し続け、将来的に大きな問題に発展する可能性があります。
こんなケースにおすすめ
・屋根材にひび割れ、反り、欠けなどが広範囲に見られる場合。
・築20年~30年程度で、屋根材の寿命が来ていると感じる家。
・雨漏りはしていないが、防水性に不安がある場合。
さいごに
大切な家を守る屋根だからこそ後悔のない選択にならないよう、何かご不明な点があればいつでもお気軽にご相談ください。